直木賞受賞 葉室麟

日差しは暖かくなって参りました。
とはいえ寒暖の差があります。

54歳で作家デビューし、
幾度も直木賞候補に上りながら
やっと今年受賞したとのこと。
文庫化された作品を読んでみました。
(この作品は受賞作ではありません、念のため)

『銀漢の賦』
葉室麟 文春文庫

ズバリとても良いです。

時代小説は難しく感じて
すっと入れないときがありますが
この小説はテンポよく
程よく解説が入るので
一気に読破でした。

源吾、将監、十蔵の三人が主人公。
立場が異なりながらも
それぞれの「覚悟」と「心映え」。

花を活ける将監の母に訊ねる源吾
「花というものは自然に咲いておって
きれいなものだと思いますが、
やはり葉は切らねばならぬものですか」

将監の母千鶴
「源吾殿は、人は皆、生まれたままで
美しい心を持っているとお思いですか」
「人も花も同じです。
生まれ持ったものは尊いでしょうが、
それを美しくするためにはおのずと
切らなければならないものがあります。
花は鋏を入れますが、人は勉学や武術で
鍛錬して自分の心を美しくするのです」

漢詩もいくつか出てきます。

「銀漢声無く玉盤を転ず
此の生、此の夜、長くは好からず
明月、明年、何れの処にて看ん」
(銀河には玉の盆のような明月が
音もなくのぼる。
この楽しい人生、この楽しい夜も永久に
つづくわけではない。
この明月を、明年はどこで眺めることだろう)

銀漢とは天の川のことだそうです。

学生時代に勉強した漢詩は苦手でしたが
こういった小説や場面から学べば
楽しかったのかもしれません。

「凛冽(りんれつ)」
とはこういう意味なのかと
伝わってくる作品です。

すでに数回読み返しました。

爽やかで、やはり勧善懲悪というか
それなりのハッピーエンドが良いですね。

三寒四温です。
体調にはくれぐれもお気を付け下さい。

2012.03.04|コメント(0) | BLOG,院長の読書感想文

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