『ザ・チャンピオン』
先日来、整理・整頓を
心掛けているところですが、
片づけの最中に
見つけた本です。
『ザ・チャンピオン』
白井義男 東京新聞出版社
古い本なので
残念ながら現在では中古しか
出回っておりません。
白井義男さんは
日本人初の
世界チャンピオンとなった
ボクサーです。
わたくしはボクシング・ファン
という訳ではありません。
出逢ったきっかけは
わたくしが高校時代に読んだ
中日新聞連載の
『この道』。
あとがきを読むと
昭和61年から62年にかけて
連載されたものです。
連載後半を読んで
気に入ったため
出版後すぐに購入しました。
昭和62年4月の初版です。
白井氏と
ボクシング歴のない
GHQ高官カーン博士との
出逢い、
そして師弟の絆。
「記憶は遠くなるにつれて、茫洋とし、
やがてセピア色がかかってくるというが、
人生には決して色あせない、
鮮烈な体験もある。」
という一文から始まるこの本には
戦後の日本の復興のために
チャンピオンを目指した
その道のりが綴られています。
昭和27年後楽園での
世界タイトルマッチ。
大観衆を指差して
挑戦者である白井氏に
カーン博士が語った言葉。
「ヨシオ、
大事にしなければならないファンは、
ほら一番上段にいる三百円席の人たちだよ。
リングサイドの人は、ヨシオに限らず、
だれの試合でも足を運ぶだろう。
だが、あそこには、白井だからこそ
来てくれたファンがたくさんいるのだ」
シビレますね。
チャンピオンとなり
カーン博士に御礼を言う
白井氏に対して
「礼を言うのは私の方だよ。
お前のおかげで、
私は生きがいを見つけ、
素晴らしい人生を送ることができた。」
と言ったそうです。
世界を目指すには
コーチと選手の
心の結びつきが
何より必要だと述べています。
23年前に引いた赤線を
見つけました。
連載最終回。
タイトルが
「創意工夫を」
新聞でこの部分を読み
気に入ってこの本を購入したのです。
ウェートトレーニング一つとっても
ボクサーのタイプによって
必要な筋肉は違ってくる。
カーン博士は
気構えと工夫の大切さを語ったそうです。
「セオリーはセオリーだが、
自分に合った工夫が肝心なのだ」
ボクシングのみならず
すべてのことに
(当時は受験勉強にと思った訳ですが)
通じると感じて読んだことを
思い出します。
これからも創意工夫しながら
成長できるよう精進致します。
2010.08.01|コメント(0) | 院長の読書感想文