『最強の人生指南書』 齋藤孝

日中はまだまだ暑いですが、
朝夕は爽やかな風が吹くように
なってきました。

『最強の人生指南書』
~佐藤一斎「言志四録」を読む~
齋藤孝  祥伝社新書

5、6年前に
『言志四録』
佐藤一斎

を購入しました。

「一燈を提げて暗夜を行く。
暗夜を憂うること勿れ。
只だ一燈を頼め。」

この言葉を新聞か雑誌で見つけ
このフレーズが心に響いたのです。
出典の『言志四録』を
購入たわけです。

が、「ム、ムズカシイ」と
あえなく挫折。

全4巻でしたが1冊にしておいて
良かった。。。
そんな思い出がありました。

もちろん
『最強の人生指南書』の中に

「一燈を提げて暗夜を行く。
暗夜を憂うること勿れ。
只だ一燈を頼め。」

も取り上げられていることを確認しました。

「龍馬伝」にも出てくる
横井小楠や佐久間象山も
佐藤一斎から教えを受け、
勝海舟や坂本龍馬に影響を与えた
と言われます。

西郷隆盛は
『言志四録』の中から
101条抜き出して
“座右の書”としたそうです。

齋藤孝氏は以前ご紹介したように
偉人たちを取り上げて、
そのエッセンスを現代に当てはめて
分かり易く説明することが
大変お上手だと思います。

今回も
斎藤孝氏の解説付きなら
『言志四録』
を読めるのでないか、と思い
早速スタート。

「信を人に取ること難し。
 人は口を信ぜずして躬を信じ、
 躬を信ぜずして心を信ず。
 是を以って難し。」

(他人から信用を得ることは難しい。
 いくらうまいことを言っても
 他人は言葉を信用しないで、
 その人の行いを信じる。
 さらに言うと
 行いを信じるのではなく、
 その人の心を信じるものだ。
 心を他人に示すことは難しいので
 信を得るのは尚のこと難しい。)

儒学の中に出てくる
仁義礼智。

この中で人として最も大切に
考えられているが
「仁」
ですが、日本人にとって
よりイメージしやすいのが
「信」と解説しています。
(齋藤氏のこういった説明が
 分かりやすいですね)

人が関わり合うときに
必ずその相手の「信」をみます。

齋藤氏は解説しています。

「一つの仕事をするたびに、
 上手に信用を
 積み上げていくことができれば、
 だんだん仕事も選べるように
 なっていきますが、
 逆に信用を失ってしまえば、
 仕事を失うことになります。」

「人にはみな“信”を入れる
 貯金箱のようなものがあり、
 仕事や人間関係を通して、
 それが大きくなったり
 小さくなったりする」

もう一つ
「克己の工夫は一呼吸の間に在り」
(克己の工夫は、難しいといっても
 その実は「ここだ」という
 一呼吸の間にある。)

「小さな克己の積み重ねが、
 人生を大きく変えることになる」
そして
「克己は工夫であり、
 その工夫はほんの一呼吸の間に
 できるようなちょっとしたものでいいと思えば
 工夫できることがいろいろ見つかるはず」
と述べています。

以前ある方にアドバイスを頂きました。
クリニックの中で
一日ひとつ改善すれば
1年で360個も良くなる。
一つ一つは小さくても
1年で著しく成長できるのだ、と。

わたくしの“信”を入れる貯金箱が
大きくなるように
“一燈を提げて”
精進致します。

2010.09.12|コメント(0) | 院長の読書感想文

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください