『火天の城』と『いっしん虎徹』

最近更新していませんね、と
声をかけて頂き
ドキッとしながらも
嬉しく感じておりました。

昨年ご紹介した
『利休にたずねよ』の山本兼一氏が書いた
『火天の城』と『いっしん虎徹』。

それぞれ城大工と刀鍛冶が
主役の“職人”のストーリーです。

『火天の城』
山本兼一 文春文庫

織田信長の命により
安土城を築城する宮大工、
岡部又右衛門が主人公です。

安土城の名前を聞いたことはありますが、
実際にどのように建てられていたのか
資料はほとんどないのですね。
知りませんでした。

又右衛門の職人気質。
「職人の良い仕事ぶりを見るのは
面白くてたまらぬ。
見ていれば腹からいくらでも
力が湧いてくる」

医師の仕事にアカデミックな部分は
勿論大事ですが、
“職人”の部分は欠かせません。

ペインクリニックで行う
神経ブロックにも技術が必要です。
職人気質でなければ
上達できないと考えています。

それでいて総棟梁として
リーダーシップを発揮して
さまざまな分野の職人を
導く姿に惹かれます。

息子に向かっては
「腕を磨け、頭を働かせよ」と
諭します、
というより怒鳴ります。

「考えよ」というメッセージが
何度も出てきます。

父親に反発していた息子。
それが
「木を組むのが番匠の仕事で
人を組むのが棟梁の仕事」
と考えるように変化し、
成長していきます。

心を打たれた言葉。
嵐の夜に建築中の城を点検しながら
でも、何ら不安なく自信に満ちた
父親(総棟梁)に対して
若棟梁が、心配にならないのか、
と尋ねます。

総棟梁は答えます。
「若いころには気に病んだ。
 だが、建ててしまったものは、
 どうにもならぬ。
 そのことに気づいてから、
 わしは目の前の仕事で
 決して手を抜かぬようにした。
 それ以外になすべきことはない」

目の前の仕事で決して手を抜かない。

医療においてもその通りです。
いえ、すべての仕事において
そうであるべきです。

当たり前のことを当たり前に。

そして運命の本能寺へ。

『いっしん虎徹』
山本兼一 文春文庫

刀剣に興味はありませんが、
虎徹が新撰組・近藤勇の
愛刀だったことは
読んだことがあります。

虎徹が兜づくりから
刀鍛冶へと志し、
ひたすら修行していく姿。

心を打たれた言葉。

「仕事は、下手がよい」
という師匠のコトバ。

勿論、医者が下手ではいけません。
そのココロは。

常に現状に満足せず、
勉強しようという向上心。

昨日よりも今日、
今日よりも明日。
少しでも成長できるよう
努力致します。

2011.02.17|コメント(0) | 院長の読書感想文

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